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ニュースリリース

平成24年10月吉日

新製品 映像火災警報システム FSDS 発売のご説明

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株式会社シー・イー・デー・システム(代表取締役中村憲市郎)と株式会社ネット・ビー(代表取締役増山博幸)は映像火災警報システムFSDSを共同開発し、平成24年10月より製品の販売を開始します。映像火災警報システムFSDSは、監視カメラに映る広範囲の中で発生する火災を早期に検出し警報する防災用途の製品です。

■映像火災警報システムFSDSは、従来型の煙感知器や熱感知器では不得意な次の3つの機能を実現します。
 
  • 従来、監視困難だった場所(死角)の監視が可能となります。
     消防法では設置義務化がされていない①高天井に設置された場所、②空調あるいは換気での空気の流れがある場所や③常時外気の流通する場所、④屋外や準屋外での場所での火災の監視ができます。
     なぜなら、一般的に屋内で使用されている煙感知器や熱感知器は、設置された場所に煙、熱が到達することで感知するため、煙と熱は微風でも希薄されたり、感知器に到達するのに時間がかかるため火災感知に支障をきたすことがあり、感知が非常に困難だったからです。本システムでは映像より高精度に炎検知、煙検知が可能であり、屋外施設の火災監視や火気を扱う現場での異常な火炎の発生を識別する必要があるときの監視に利用できます。
     既存感知器では、監視できず広範囲で、目視では監視が困難だった場所をシステムで24時間常に自動的に火災監視できることが最大のメリットです。

    映像火災警報システムFSDSによって、火災警報・監視が新たに可能となる場所
    (高天井の空間の場所)
    • アトリウム、高い天井の建築施設室内、ドーム型競技場内、
    • 量販店の寝具売場、圧縮商品棚の店舗、
    • 劇場、倉庫、航空機格納庫、工場、
    • 原子力発電所・火力発電所、
    • 駅舎、車両基地、空港・港湾施設・・・
    (空調・換気での空気流のある場所)
    • ビル玄関、ロビー、ピロティ、
    • コンピュータ室、データセンター、冷蔵倉庫、
    (外気の流通する場所)
    • 商店街アーケード、地下街、地下鉄構内、
    • 高速道路・一般道路のトンネル、鉄道トンネル、
    • 高層ビルや駅舎の吹き抜け空間施設・・・
    (屋外、準屋外)
    • 一般建造物の外周外壁、重要文化財建物・寺院仏閣の内外周、
    • マンション共有部(ごみ置場、駐輪所、駐車場等)、
    • プラント、石油備蓄施設、タンクヤード、
    • ガスタンク、ガス製造工場、危険物貯蔵所、
    • 製鉄所(溶鉱炉)、製材工場、
    • 大型重機製造プラント、造船所、ガソリンスタンド、
    • 可燃物貯蔵所、発酵物貯蔵所、木材貯蔵所、
    • ゴミ集積所、瓦礫置場、ゴミ焼却場・・・

  • 既存の監視カメラ設備の価値を大幅に高めます。
     リアルタイムでの火災予防・監視ならびに火災原因の究明ができます。 また、警報発報の要因(炎、煙)、時刻などのログは勿論のこと、他に警報発報時刻前後(出火前)5分間の連続静止画も記録しており、火災原因の追求調査に活用できます。 火災原因の第1位は放火ですので出火直前の連続画像は、事件解決に役立ちます。マンション共有場や商店街などでの放火の危険性がある場所での防火・監視に有効です。
     特に、広大な敷地の屋外プラントや商店街アーケードなどでは、監視カメラが多数設置されているのが現状ですが、その監視カメラ映像より火災監視が可能となるFSDS導入は、既存カメラの価値をより高めることになります

  • 従来型のセンサー設備や各種消防設備との連動性が容易にとれます。
     警報端子と消化設備を連動させることにより、本システムの警報から消火設備を発動させることが加納です。 監視カメラ単体での防犯・防火対策のみならず、火災に対する強力な防禦体制が可能となります。



■新製品 映像火災警報システム FSDS の特徴

  • FSDSは火災および煙の2つを同時に検知します。
     映像に映る火災の放射発光エネルギーを捉えるとともに、希薄な煙までも画像処理で検出して火災警報を早期に発報するものです。 これにより建物外周や屋外施設などや高天井の空間、常時外気の流通する場所での有効な火災監視装置となります。
  • 720×480の解像度のライブ映像に、火炎・煙の成長過程を認識表示します。
     濃煙のみならず、目視で判断が困難な透過性の希薄な煙の存在も把握します。 さらに炎や煙の外周をライブ映像に輪郭線で描き、拡散方向も矢印で表示します。32×32ドットの小さな火炎からその外接を緑色、黄色、赤色に分けて成長過程ごとに矩形で表示します。
  • 屋内・屋外の30立方メートルの大空間全域の火災を監視できます。
  • 既存の監視カメラに接続することができます。
     FSDSは一般的な監視カメラを利用します。
  • 監視カメラの望遠レンズを選定することで遠方建物の火災を監視が可能です。
  • FSDSは簡単に設置でき、保守運用も容易です。
     監視カメラは所定の画角と焦点調整を行い、FSDSはその平時の映像から環境をシステムが自動的に学習しますので、細かな設定作業は必要ありません。平時の環境習得は1分程度です。
  • 高い信頼性
     FSDSは常に映像品質を確認しており、監視カメラの揺れや故意の視野遮蔽を検出し監視不適状態に移行します。 その問題が終息した後、自動的に監視を再開しますので、不適状態のままで無駄な監視を続けることがなく、監視カメラでの高い信頼性を実現します。
    また、電源が確保できなくなる非常時にも、UPS(緊急時電源)により最大30分間は継続動作します。
  • 誤報を防ぎ、高いロバスト性があります。
     火炎や煙の検出から火災警報までの経過時間(法令で言う蓄積時間)の設定を10秒、20秒、30秒から選択できます。 これにより火災の誤報を防ぐことができます。
  • 火災原因の調査情報を記録しています。
     警報発報の要因(炎、煙)、時刻などのログは勿論のこと、他に警報発報時刻前後(出火前)5分間の連続静止画も記録しており、火災原因の追求調査に活用できます。
  • FSDSは拡張性があります。
     FSDSは4台までの監視カメラが接続でき、同時に火災監視します。 また、FSDS複数台のネットワーク化も容易で、16台まで可能で、最大64台の監視カメラが接続できます。
     警報表示は画面への火災発生区域名の表示、警報音の鳴動、外部警報接点のONですが別売品で火災発生場所をグラフィカルに表示する壁取付表示盤を用意しています。
  • 販売価格は280万円から。 初年度販売計画200台。



■FSDSの原理説明

 火災の炎は多量のCO2が発生し、CO2共鳴放射帯(励起状態)はエネルギーを放出することで基底状態に戻ろうとします。このとき放出されるエネルギーは、光や赤外線として放射されます。カメラの映像では反射光と自ら発光する光を区別することができませんので、通常の技術では火炎の正確な認識は困難です。
 本システムは映像からこの放射されるエネルギーの時系列変量を捉えるとともに、拡散燃焼の炎の揺らぎを画素単位の速度ベクトルの統計量判断で火災の炎を認識しています。更に、炎領域の熱流動の時系列特徴も捉えて炎の認識精度を高めています。
 また、煙の認識に関しては、空間に拡散流動する透過性の煙から濃煙の動きを画素単位の推定速度ベクトルの分析と輪郭特徴及び、平時の環境特徴との差異の判断で認識し、総合的に煙を捕捉しています。これに加えて、剛体、非剛体運動の識別をして煙を認識しているため、人物、車両等の移動物体や照明変動の影響を受けず、煙の認識を的確に行います。